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欽筆~どこまで書くの!

欽ちゃんの抽選会は皆が「外れますように!」その理由が… 欽筆6

欽ちゃんこと萩本欽一さんが、自ら考えた格言や生き方のコツを筆でしたためます。何時間も、ときには何日もかけて書き上げるという味わい深く温かい欽ちゃん直筆の書を、短いインタビューと合わせてお届けします。

萩本欽一さんの毛筆による作品「欽ちゃんの言葉」

得をすることは嬉しいことだが 美しいことではない

たとえば道で100円拾ったとする。これは得することではあるけど美しいことではないよね? 世の中の99%の人は得したいと考えていると思うけど、1%くらい「損してもいいよ?」って人がいるんじゃないか。わたしはそういうところに大きな運が来るような気がするの。
むかしコント55号をやってたとき、ギャラの取り分は事務所が9で僕らが1だった。でも僕は自分が損してるとは思わなかったの。社長は悪人じゃないし、きっとどこかで気づくんじゃないかなって。事実、社長は自分の家族のために家を建てた後、すぐに僕らにお金をくれるようになった。今、事務所的に一番お金もらってるのは僕じゃないのかな?
逆に言えば、意味もなく得するようなことがあったらそれは危険なのよ。投資も同じ。だから何かうまい話をもちかけられても「あーそうですか、でも得はしたくないんで結構です」って聞き流しておけば損することは絶対ないの。
ずっと前にゴルフの大会で「優勝者に土地50坪を差し上げます」ってのがあったの。でも僕は「いらない」って断ったのね。だってそんな土地に家を建てたら雷が落ちそうじゃない? 人生はチャラになるようにできてるんだから、そんなものもらったら怖くてしょうがない。そしたらその不動産屋さん、その10年後に詐欺まがいの土地を売りつけたっていって、引っかかった芸能人の名前が新聞に出てました。
僕のまわりは面白いですよ。番組の忘年会で抽選会をやっても、みんな「外れますように!」って天を仰いでるの(笑)。僕? 僕はそういうとき絶対に当たらない自信がある。いつも5等が当たります。みんな「すごいですね、欽ちゃんはこういうところで運を使わないんですね」って感心してるよ。

欽ちゃん「1%くらい『損してもいいよ?』って人がいるんじゃない? 」
欽ちゃん「1%くらい『損してもいいよ?』って人がいるんじゃない? 」

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