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介護施設で、あるある探検隊♪

「かわいそう」はありがとう!親近感の塊やん。あるある探検隊の活動報告10

「あるある探検隊」のリズムネタで一世風靡したお笑いコンビ・レギュラーの松本くんと西川くんは、いま介護施設をまわっています。テレビや劇場の一般客相手と違って、施設の利用者さんたちを笑顔にするのは、やっぱり難しい! そんな2人が見つけた、今日の介護現場の“あるある”は――。

レギュラーと介護施設のみなさん
写真は毎回、レギュラー公式マネジャーがスマホで撮影した「渾身」の1枚です!

介護レクリエーションの営業で、静岡県にあるデイサービス施設とケアハウスに行ったときのこと。デイサービス施設で30分間のステージをやったあと、同じ敷地内のケアハウスでネタを変えて30分間という2本のステージをこなしたレギュラーの2人。

ところが、いつもなら要介護度の低い利用者を中心に盛り上がるはずのデイサービス施設のレクリエーションが、なかなか盛り上がらない。

たとえば地方の施設で必ず聞く、こんな質問。
「ここの土地の名物はなんですか?」

西川くんが客席の間に入り込んで、一人ひとり聞いてみても、首をかしげる利用者ばかり。ようやく1人が、地元のお菓子の名前を小さな声で口にした。

「こっこ?」

ここまでくれば、こちらのもの。いつものように、誰かの答えを突破口に次々と手が上がって利用者同士の話が続いていくものだと思いきや……。ここで再び流れは途切れ、静まりかえる会場。

まあ、こんなときもある。気を取り直して、客席の間で「ほかにはないですか?」「たとえば、白くて小さい魚……『し』で始まります」などと問いかける西川くん。答えは「しらす」。誰か反応してくれるか——。

そのとき、1人の老婦人が西川くんに、こんな言葉を投げかけた。
「かわいそうに。汗びっしょり!」

見れば、西川くんの水色のシャツが汗で紺色に染まっている。

「ほんとねー。かわいそうねー」
あちこちから同情の声があがり、会場は一体感を持ち始めた。この機を逃さず、あとはいつものレクリエーションでぐいぐい引きつける2人。“汗水流す”ことの尊さを、身を持って感じた1日であった。

松本くん 介護レクリエーションと一口に言っても、相手によってやることは変わってくるよね。たとえば、要介護度の高い入居者さんが多い施設に行くときは、歌やリズムネタの多いレクリエーションを仕込んでいくとかな。西川くんが舞台から客席に出ていくのは、やっぱり会場に要介護度が高い利用者さんが多いときやね。

西川くん そうそう。本当は、舞台にいたままのほうがトークのリズムが出るんだけどな。ハキハキ答えられない利用者さんも多いから、客席でうろうろして小さな声も拾ってあげようと思って。僕はあなたのことをちゃんと見てますよ、一緒にやりましょう!とアピールしなくちゃという意識もある。

松本くん 昔はよく、北に行けば行くほどウケないとか、土地柄でウケ方が違うと言われたやんか。でも、いまはそういうのはないね。全国どこへ行っても同じテレビを見てるというのも大きいやろうね。土地によって反応が違うっていうのは、あまり感じなくなった。

西川くん それよりも、それぞれの施設によってテイストが違う感じがするな。デイサービスか、老人ホームかというのでも違うし。

松本くん 静岡では、同じ敷地内にデイサービスとケアハウスがある施設に行ったけど、やっぱり反応が違ったもんな。デイサービスではウケがイマイチやったけど、いつもだったら静かなはずのケアハウスのほうが、がぜん盛り上がってた。

西川くん 入居者さんだけじゃなくて、ご家族やスタッフや、いろんな人が来てくれてたしな。とくにスタッフさんたちが、たくさん笑ってくれたのが印象的やったね。デイサービスのほうも、それなりに楽しくできたとは思うけど、なかなかうまくいかんかったな。

松本くん 会場のみんなとの掛け合いでどんどん盛り上がっていく、ていうのが僕らの目指す形やけど、あのときはうまく引き出せてなかった。思ったんやけど、あの場でうまく“仲良しグループ”を見つけられなかったのが敗因やないかな。観客のなかにグループを見つけて、その1人をイジるとグループ全員が盛り上がるやんか。それが会場全体に波及していくこともけっこう多い。

西川くん だからステージに立ったら、まず“団体さん”を見つけるっていうのは、介護レクリエーションの鉄則ってことやね。

松本くん あの日は、なんとか突破口を見つけようと西川くんが会場を歩き回って、気づいたら大汗(笑)。おばあちゃんに「かわいそうに」とか言われてたしな。それで一体感につながったんだから結果オーライや。

西川くん ほんまにありえないほど汗かいてたのは、たしかや……。

松本くん 「がんばって」じゃなくて、「かわいそうに」だからな。よく2人で話してるけど、僕らの強みは親近感。失敗を笑ってもらえるのは、受け入れてくれてるってことやん。そう考えると、「かわいそうに」は最高の褒め言葉だな。親近感の“塊”やん(笑)。

西川くん そうそう。まわりの芸人さん見回しても、キャリアや年齢に関係なく、気安く突っ込めるキャラと、突っ込めないキャラの2種類あるやん。僕らは間違いなくツッコみOKのキャラやもん。大事にしないと。

松本くん よく施設でやる僕らの出身地当てクイズあるやろ。正解は「京都」なんやけど、まったく当たらへんもんな。僕らには京都の上品さがないからわからへんのかな?

西川くん いやいや松本くんは、京都の上品さが表に出てるよ。

松本くん そんなことないよ、西川くんこそ品の良さあるで。

西川くん いや、僕より松本くんのほうが断然上品さはあるよ。お世辞なしで。

松本くん まあ……そうやんな(照)。

西川くん 松本くん、それはたしかにアルな……って、えっ? ほめ返してよ。松本くんのセリフで終わらんといて!

(編集協力/ Power News 編集部)

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