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夫が認知症に。この先の生活が心配です【お悩み相談室】キタジマが答えます

Q. 夫(50歳)が認知症になりました。夫のことも心配ですが、中学生と小学生の子どもがいるので、この先の生活も心配です。(41歳女性・専業主婦)

A. 認知症は高齢者に多い病気ですが、50代以下で発症するケースもあります。働き盛りの世代が認知症になると、経済的な問題はより切実です。とくに子どもが小さい場合は、これからの生活費や教育費など、心配は尽きないもの。

もちろん今までどおり働き続けられればいいのですが、病気の進行とともに退職せざるを得なくなったり、退職は避けられたとしても配置換えや休職で減収になることも考えておかなければなりません。また、相談者が夫の代わりに働くといっても、夫と同程度の収入は得られないことも考えられます。

お金の不安を軽減するために、さまざまな支援制度が設けられています。50代の相談者でも利用できる制度を紹介しましょう。

認知症と診断されると、「精神障害者保健福祉手帳」を取得できます。血管性認知症で手足の麻痺があったりレビー小体型認知症で手が震えるなど、身体症状がある場合は「身体障害者手帳」に該当することもあります。手帳を持っていることで、税制の優遇措置のほか、公共交通料金や施設の利用料の割引などを受けることができます。また、企業の障害者雇用枠に応募できるので、病気であることを理解してもらったうえで働くことができるかもしれません。

病状によっては、「障害者年金」を受給できる場合もあります。障害者年金は、病気やけがで仕事を続けることが困難となった人やその家族の生活を支える公的年金です。

通院の際に医療機関や薬局の窓口で支払う医療費の自己負担は、「自立支援医療制度(精神通院医療)」を利用すれば、1割に軽減されます(通常は3割)。

また子どもが小さい場合は、児童扶養手当のほか就学援助制度など教育関係の費用が補助される仕組みがあります。

支援制度の申請先は自治体であることが多いですが、制度ごとに担当する部署が違う場合も多いので、まずどのような制度があってその中でもどれを利用できそうなのか、全体像を把握したほうがスムーズです。

まず、都道府県単位で配置されている「若年性認知症支援コーディネーター」に相談してみましょう。地元の地域包括支援センターに相談する方が多いのですが、高齢者中心の相談に応じる機関なので、若年性認知症に特化した情報が十分に得られないことがあるのです。また病院にかかっている場合は、その病院の医療ソーシャルワーカーに聞いてみてもいいでしょう。

支援を必要としていない人も、専門家に相談したり情報を集めておけば気持ちが楽になります。「困ったときはお互いさま」で、社会は成り立っています。あなたが大変なときに助けを借りる必要な社会保障や支援を受けるのは恥ずかしいことではありません。

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