認知症と診断されたら生活は? 自宅か施設か、知っておきたい特徴
取材/熊谷わこ
認知症と診断されたら生活はどのように変わるのか、不安は募るばかり……。しかし認知症の方が安心して過ごすための場所やサービスは増えつつあります。京橋おとしより相談センター(東京都中央区)の吉田千晴さんに話を聞きました。
認知症の人が過ごす場所や利用できる生活上のサービスとは
認知症と診断されたからといって、生活を変える必要はありません。今まで通りに、自分ができる仕事や家事、趣味、地域活動を続けていけばいいのです。しかし病状が進行すると日常生活でできなくなることが増え、仕事を辞めざるを得なくなるなど、今まで通りにはいかないことも多くなります。
認知症の場合は発症後すぐに入院が必要になるケースはほとんどなく、ある程度、病状が進行しても自宅で生活を続けられますが、介護を中心とした支えが欠かせません。また、ここちよく日々を過ごすためには、社会とつながる場や機会を持つことも重要です。自宅での介護が難しくなった時には、施設入所を検討するという方法もあります。
主な生活の場が自宅でも施設でも、心強い味方になってくれるのが「介護保険制度によるサービス」です。介護保険制度は社会全体で介護を支え合うしくみのこと。40歳になると加入者(被保険者)として保険料を納めることが義務付けられますが、介護が必要になった時には費用の一部を支払ってサービスを受けることができるのです。
65歳以上の人は、原因を問わず介護や日常生活の支援が必要になれば、要介護認定を受けたうえで要介護度に応じたサービスを利用できます。
一方、40歳から64歳でも、介護保険制度で指定されている「特定疾病」が原因で介護や支援が必要になった時には、65歳以上の人と同じようにサービスを利用することができます。特定疾病に指定されているのは加齢にかかわっている病気の一部ですが、「初老期における認知症」も含まれています。つまり、40歳以上であれば、認知症で介護が必要になった時には介護保険サービスを使うことができるのです。
※ 自宅で暮らし続ける場合と、施設に移る場合に分けて、知っておきたいサービスや施設の種類を解説します。 下線部のある文字をクリックすると、解説ページにジャンプします
生活の拠点を自宅にした場合
- 訪問介護(ホームヘルプサービス)
- 訪問入浴介護
- 訪問リハビリテーション
- 居宅療養管理指導
- 訪問看護
- 通所介護(デイサービス)
- 訪問リハビリテーション
- 短期入所生活介護(ショートステイ)
- 短期入所療養介護(医療型ショートステイ)
- 認知症カフェ
- 就労継続支援事業所