自宅で暮らし続けるための訪問介護など11のサービスを紹介

認知症と診断されたら生活はどのように変わるのか、不安に感じることもあるでしょう。しかし認知症の方が安心して過ごすための場所やサービスは増えつつあります。京橋おとしより相談センター(東京都中央区)の吉田千晴さんに話を聞きました。

自宅で過ごす人のために 

自宅で生活する中で手助けしてほしい時には、介護保険サービスの訪問介護や訪問入浴介護を利用できます。医師や看護師など医療者に医療的処置やアドバイスをもらいたい時には訪問看護や居宅療養管理指導が受けられます。身体機能を維持向上するには、理学療法士などの専門職が自宅を訪問して行う訪問リハビリテーションというサービスもあります。

自宅で過ごしていると、社会とのつながりが途切れがちになります。介護保険サービスには通いで利用できるものもあり、中でも認知症の人が数多く利用しているのが、通所介護(デイサービス)です。日中はデイサービスに通うことで、メリハリのある生活を送ることができ、家族以外の人と交流する機会を持つこともできます。

比較的年齢が若く働きざかりで認知症を発症した人などは、以前と同じような仕事はできなくても働きたい思いが強かったり、高齢者中心のデイサービスを苦痛に感じたりすることがあるようです。企業の障害者雇用枠で就職したり、障害のある人向けの就労継続支援事業所で働いたりするという方法もあるので、各自治体に設置されている若年性認知症支援センターやハローワークに問い合わせてみるといいでしょう。

「ボランティアをしたいけれど、認知症でもできるボランティアはあるだろうか」と悩んでいる人は、ボランティアセンターに相談してみましょう。ボランティアセンターは市区町村単位で社会福祉協議会と連携して設置されている窓口で、ボランティアに関わる情報を収集することができます。

日中、認知症の人や家族が、介護保険に関わらず気軽に過ごす場として、認知症カフェ(オレンジカフェ、ケアラーズカフェとも呼ばれます)が注目されています。認知症カフェの設置や運営をしているのは、NPO法人や医療機関、認知症の人の家族などさまざま。コーヒーやお茶を飲みながら交流を楽しむスタイルが主流ですが、レストランスタイルや、地域の人とスポーツやレクリエーションをするスタイル、家族だけで介護の悩みを共有する認知症カフェもあります。認知症の人に働く場を提供したり、認知症医療や福祉にかかわる専門家の講演を聞くことができるなど、ユニークな認知症カフェも登場しています。

ただし一般のカフェのように常設しているケースは少なく、自治体のホールなど場所を借りて月に1~4回程度開催し、費用は飲み物代の実費程度(数百円)というところが多いようです。こうした認知症カフェの情報は、地域包括支援センターなどで得ることができるので、気軽に出かけてみてください。住まいの近くにある認知症カフェを利用するだけでなく、さまざまな認知症カフェに出かけてみて、自分がホッとできる場所を見つけるのも一つの方法です。

なお、認知症カフェ以外にも、高齢者が集まってお茶を飲み会話を楽しめるサロンを設けている自治体も少なくありません。認知症の人に限らず幅広く地域の人や同世代と交流したい人は利用してみるといいでしょう。

また自宅を生活の基盤にしている人でも、短期入所生活介護(ショートステイ)や短期入所療養介護(医療型ショートステイ)などを利用し、一時的に施設に入所して介護保険サービスを受けることもできます。泊まりで集中して介護や機能訓練を受けることで状態が安定することもありますし、ふだん自宅で介護をしている家族の負担軽減にもつながります。頑張りすぎないことが大事。こうしたサービスを上手に利用しましょう。

  1. 訪問介護(ホームヘルプサービス)
  2. 訪問入浴介護
  3. 訪問リハビリテーション
  4. 居宅療養管理指導
  5. 訪問看護
  6. 通所介護(デイサービス)
  7. 訪問リハビリテーション
  8. 短期入所生活介護(ショートステイ)
  9. 短期入所療養介護(医療型ショートステイ)
  10. 認知症カフェ
  11. 就労継続支援事業所

1.訪問介護(ホームヘルプサービス)

自宅で安心してここちよく過ごすための介護保険によるサービス。

ヘルパーが自宅を訪問し、食事や入浴、排せつなどの「身体介護」のほか、調理や買い物、洗濯、掃除といった「日常生活の援助」を行います。医療機関への通院などで車による移送を希望する際に、乗り降りを介助することもサービスの対象です。

2.訪問入浴介護

自宅で安心してここちよく過ごすための介護保険によるサービス。

浴槽を積んだ入浴車で自宅を訪問し、看護師や介護スタッフが入浴の介助をします。

3.訪問リハビリテーション

自宅で安心してここちよく過ごすための介護保険による4.サービス。

理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が自宅を訪問し、リハビリテーション(機能回復訓練)を行います。

4.居宅療養管理指導

自宅で安心してここちよく過ごすための介護保険によるサービス。

医師や歯科医師、薬剤師、管理栄養士が自宅を訪問し、療養に必要な管理や指導をします。

5.訪問看護

自宅で安心してここちよく過ごすための介護保険によるサービス。

病気などを抱えている人の自宅に看護師などが訪問し、療養上の世話や医師の指導による医療的な処置、アドバイスなどを行います。

6.通所介護(デイサービス)

自宅で暮らしながら日帰りで利用する介護保険によるサービス

通所介護施設(定員19名以上)に通い、食事や入浴など日常生活上の支援や、生活機能向上のための訓練、レクリエーションなどを日帰りで行います。

7.通所リハビリテーション(デイケア)

自宅で暮らしながら日帰りで利用する介護保険によるサービス

介護老人保健施設(老健)や医療施設に通い、食事や入浴などの介護のほかに、生活機能向上のための訓練を日帰りで行います。

8.短期入所生活介護(ショートステイ)

自宅で暮らす人が一時入所で利用する介護保険によるサービス。

介護老人保健施設(老健)などに短期間入所(宿泊)して、食事や入浴などの介護、生活機能を維持向上させる訓練を行います。

9.短期入所療養介護(医療型ショートステイ)

自宅で暮らす人が一時入所で利用する介護保険によるサービス。

介護老人保健施設(老健)などに短期間入所して、医学的な管理のもとに医療や介護、機能訓練を行います。

10.認知症カフェ

介護保険に限らず誰でも利用できる場所やサービス。

認知症の人と家族が、地域住民や介護・福祉・医療の専門家と交流できる場。全国各地にあり、 ケアラーズカフェ、オレンジカフェなどとも呼ばれています。

11.就労継続支援事業所

認知症など障害のある人が働く場。

障害のある人が作業をする施設で、給料も支給されます。A型とB型があり、A型は直接雇用契約を結ぶスタイルの事業所で、ある程度生産性が求められる反面、自治体ごとに決められている最低賃金が保証されます。一方B型は雇用契約は結ばず、自分のペースで作業をして、その売り上げを全員に分配するシステムです。いずれも利用するには精神障害者保健福祉手帳を取得していることが条件です。

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