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駄菓子屋さん、ちょっと赤字の心意気~みんなが心開いて「素」になれる場所 DAYS BLG ! の活動報告

ちょっと赤字の駄菓子屋 BLG
オジちゃん、これいくら?

突然ですが、私たち「DAYS BLG !」 はデイサービスのかたわら駄菓子屋を「経営」しています。経営といっても、この駄菓子屋は若干の赤字経営です。それもそのはず、仕入れの値段より、ちょっと安く販売しているから。売れば売るほど赤字なのです。

では何故、赤字経営を続けているのか。それは、参加されている方(以下、メンバーさん)が仕入れから販売と在庫管理を担っているのですが、そのメンバーさんの子どもたちに対する心意気といいますか、「少しでも子どもたちの喜ぶ顔が見たい」という気持ちからなのです。

開店準備をしながら、メンバーさんたちはこんなやり取りをします。

「この箱は耳を切り取っておいた方が、子どもたちからよく見えるよね」

「切り取った部分で子どもたちが手を切らないように、ここは丁寧に……。あ!ん?あれ?」

「これはいくらで売ろうか? 仕入れが20円? それじゃ、15円だね!」

お釣りを数えながら、人生の知恵袋が開く

子どもたちが来店すると、早速賑やかに。そこで生まれるメンバーさんとの会話。別に認知症があっても、なくても、関係ありません。

お釣りを間違えることもありますが、子どもたちも間違えます。誰となく教えてくれて、逆にメンバーさんは、人生の知恵袋的なことを子どもたちにプレゼント。そして次々に入れ代わり立ち代わり、子どもたちが押し寄せてきます。

私も一斉に会計を求められたことがありますが、あれは頭が真っ白になります。しかし、メンバーさんは「はい、順番だからね。並んで~」と一言。すると子どもたちは気付きます。

(次回も、駄菓子屋さんのお話が続きます)

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