認知症とともにあるウェブメディア

認知症でも働く場所や活躍できる場所はある?専門家が回答

認知症だからという理由で、自分の活躍の場を取り上げられてしまうものなのでしょうか。専門家に聞きました。

Q 認知症でも働ける場所、活躍できる場所はありますか?

【答える人】

高瀬義昌さん_500
たかせクリニック理事長 髙瀬義昌(たかせ・よしまさ)医師
信州大学医学部卒。東京医科大学大学院修了、医学博士。麻酔科、小児科を経て2004年「たかせクリニック」を開業。在宅医療での高齢者医療、認知症のスペシャリストとして、厚生労働省の事業や地域包括ケア、介護関連事業の委員も数多く務める。患者だけでなく医療関係者からも好かれる、愛とユーモアがたっぷりのドクター。

A 今の仕事でなくてもいいから、なにかの形で社会とかかわっていたいという場合、家族の会や患者の会で相談してみるといいでしょう。

まだまだ数としては少ないのですが、仕事として報酬を伴う形のものや、ボランティアとして働くものなど、さまざまな団体が中心になって、軽度な認知症の人に活動の場を提供する試みが始まっています。住んでいる地域にそのような場があれば、参加を検討してみましょう。

また、認知症であることをオープンにして、患者の集いや家族の集い、講演会、雑誌のインタビュー、テレビなどで体験を語る患者さんが増えてきました。誰もが当事者になる可能性のある認知症について本人が語ることは、多くの人に実態をより深く知ってもらうために重要な活動だといえるでしょう。会社で働く、商売をするだけが仕事ではありません。こんな形の社会参加もいいのではないでしょうか。認知症に関する社会的な問題は山積しており、早急な対応を迫られています。あなたの発言が推進力になるかもしれません。

それに、気持ちが前向きになり、人前に出て注目されることで、認知症の進行を遅らせる効果も期待できます。

あわせて読みたい

この記事をシェアする

認知症とともにあるウェブメディア