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若年性認知症の人の仕事や子育て 傷病手当金や障害年金などを解説

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認知症と診断されたら生活は……? お金のことも気になります。どういった支援制度があるのでしょう。京都府立医科大学附属病院精神科・心療内科の成本迅先生に聞きました。

若年性認知症

ここでは、若年性認知症と診断された人が使える六つの制度を解説します。

  1. 傷病手当金
  2. 障害年金
  3. 就労支援
  4. 子どもの就学資金
  5. 就学援助制度
  6. 児童扶養手当

1.傷病手当金

全国健康保険協会や健康保険組合に加入している本人が、病気やケガで仕事を連続4日間以上休み、給料をもらえないときにその間の生活を保障する現金給付制度。最長1年6カ月にわたって標準報酬月額の3分の2が支給されます。ただし障害年金を受けている場合は、支給額が調整されることもあります。会社と相談のうえ、地域の年金事務所または健康保険組合に申請します。

 

2.障害年金

病気やケガで一程度の障害がある人のための生活を保障する制度。認知症の初診日に国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」が、厚生年金に加入していた場合は障害基礎年金に上乗せして「障害厚生年金」が受け取れます。程度が軽く、障害基礎年金の受給条件に該当しない場合でも、障害厚生年金だけ受け取れることもあります。認知症と診断されたときに65歳未満であることが条件で、請求できるのは認知症の診断後、1年半が経過してからです。障害基礎年金は市区町村の年金課で、障害厚生年金は年金事務所や加入している共済組合で申請できます。

 

3.就労支援

一般企業への就職を希望する場合に、一定期間就労に必要な知識や能力向上のため、必要な訓練をする「就労移行支援」と、一般企業での就労が困難な人に働く場を提供するとともに、知識や能力向上のための必要な訓練をする「就労継続支援」があります。問い合わせは市区町村の障害・福祉に関する窓口など。医療機関のソーシャルワーカー、ハローワークの障害者専門窓口などでも相談できます。

 

4.子どもの就学資金

世帯の経済状況により、高校や大学、専門学校など、子どもの就学に関する費用が必要な場合は、日本政策金融公庫が行っている「教育ローン」、日本学生支援機構の奨学金などがあり、各都道府県や学校でも奨学金や学資免除が受けられる場合があります。

 

5.就学援助制度

世帯の経済状況により、自治体から小中学校の学用品、給食費、修学旅行費の援助が受けられます。学校から申請書が配布され、必要事項を記入のうえ自治体に申請します。

 

6.児童扶養手当

両親のどちらかに重度の障害がある場合に、所得によっては子どもが18歳になるまで(18歳になった年度末まで)、月額で手当が支給されます。市区町村の子ども家庭に関する窓口などで申請できます。

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