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認知症になったら使える制度 障害者手帳や生活保護などを解説

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認知症と診断されたら生活は……? お金のことも気になります。どういった支援制度があるのでしょう。京都府立医科大学附属病院精神科・心療内科の成本迅先生に聞きました。

ここでは、生活費の補助や税金免除のための六つの制度について解説します。

1.障害者手帳

認知症で身体に障害がない場合は「精神障害者保健福祉手帳」、脳血管性認知症などで身体に障害がある場合は「身体障害者手帳」を申請することができます。申請は、認知症の初診から6カ月以上経ってから。市区町村の障害・福祉に関する窓口で申請できます。障害者手帳があると受けられるサービスには、次のようなものがあります。ただし、地域によって受けられるサービスが異なるものもあります。

  • 公共交通機関、公共施設などの料金割引、税金の控除・減免
  • 再就職ができる状態であれば障害者雇用枠で働ける

 

2.生活保護

認知症などで働けなくなり、生活に困ったときに最低限度の生活を保障する制度です。保護を受けるのは、家族単位なので、家族全員の所得や資産の合計が国が定めている生活保護の基準を下回っていることが条件です。親族から援助を受けられる場合は、そちらが優先されます。市区町村の福祉事務所(福祉課の窓口など)で申請します。

 

3.生活福祉資金貸付制度

さまざまな事情で所得が少ない人、障害がある人の生活を経済的に支える貸付制度。銀行などからお金を借りるのに比べて、低い金利で借りることができます。市区町村の社会福祉協議会で申請できます。

 

4.特別障害者手当

日常生活において常時介護を必要とする20歳以上の人に、毎月27,350円令和2年4月から)が支払われます。市区町村の障害・福祉に関する窓口で申請します。

 

5.生命保険の高度障害(民間)

生命保険には多くの場合「高度障害特約」がついています。被保険者が認知症になり高度障害と認定されると、死亡時と同等の保険金が支払われることがあります。生命保険会社や加入したときの約款によって高度障害の基準は異なります。

 

6.住宅ローンの支払い免除

金融機関で住宅ローンを組む場合、多くは団体信用生命保険への加入が条件となります。返済途中で契約者が死亡、もしくは高度障害になった場合に、本人に代わって団体信用生命保険が残りのローンを支払います。金融機関によって契約内容が異なるので確認しましょう。

 

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