運転免許を返して生活できる? 使いやすさ考えて代替手段の設計を

高齢者の運転について、心の仕組みという観点からどう考えればいいのか。認知心理学などを専門とする静岡大学グローバル共創科学部の須藤智教授は、運転に必要な機能の低下に注意が必要としつつ、簡単には免許返納を求められない、と語る。社会全体でとるべき対応とは。
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物の使いやすさの研究をしています。使いやすさは工学だけでなく、人間の心の仕組みに関わっているので、心理学のテーマでもあります。その中で高齢者が情報機器とか新しい物を使えないという問題があり、どういう風に解決していけるかを考えています。
人の心の仕組みは、年を取ってくるとどうしても若い人たちとは少し変わっていきます。あるタイミングで大丈夫だったと言われても、大丈夫じゃなくなってしまう時があるかもしれない。
認知症だと診断された場合は免許の取り消しや効力の停止といった措置があります。認知症ではなく、免許を持っているという高齢者は運転していいわけですが、やっぱり注意して乗らなければいけない。年齢とともに運転に必要な様々な機能が低下するということには注意しなければいけない。認知機能検査に通ったからといって100点満点というわけではないのです。
