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認知症診断から14年、65歳まで勤務 「すごいのは私じゃない」

小野寺朗さんと妻の由美子さん=8月、神奈川県大和市

■記者コラム「多事奏論」 編集委員・清川卓史

 神奈川県大和市の小野寺朗さん(65)に出会ったのは、「認知症とともに」という連載記事の取材がきっかけだった。2019年だった。

 朗さんは、郵便局に勤めていた51歳のとき、レビー小体型認知症と診断された。幻視などの症状が特徴とされる。取材当時は58歳になっていたが、片道1時間ほどかけて職場に通勤し、障害者雇用の枠組みで働き続けていた。

 仕事を続けるための様々な工夫をうかがい、記事で紹介した。通勤電車では幻聴に意識を奪われないよう、大好きな中島みゆきの音楽をイヤホンで聴く。職場では頼まれたことを忘れないよう、書いても消せるメモ用のリストバンドを手首に着けておく。そんな工夫だ。

 記事掲載後、私は朗さんの妻・由美子さんとSNSでやりとりができるようになった。時は流れて今年の春、由美子さんの投稿で、朗さんが65歳で退職されたと知った。離職を余儀なくされる人も多いなか、診断から65歳まで14年間働き続けた。すごいことだ、と改めて思った。

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朝日新聞(デジタル版)2026年09月08日掲載

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