認知症とともにあるウェブメディア

認知症になると誰もが「患者」になる? 大切にしたい生活者の姿

「痴呆」に替わる用語に関する検討会報告書

■メディア空間考 松浦祐子

 「なぜ、報道で『患者』という言葉にすり替えられたのでしょうか」。先日開かれた認知症に関するパネルディスカッションで、登壇者から問題提起があった。昨年12月に閣議決定された認知症施策推進基本計画に関する報道で、同計画で「認知症の人」と記されているにもかかわらず、「認知症患者」と表現するケースがあったという。これに対して認知症の人からは「普段の暮らしの中では患者という感覚はない」「患者と呼ばれることで、医療や介護が生活のすべてだと捉えられてしまう」といった意見が出た。

 朝日新聞のデータベースを調べてみた。今回の計画に関する記事ではなかったが、認知症の人を患者と表現している記事が散見された。医療に関する内容で、患者と表現するのが妥当だと思われるものがある一方で、認知症の啓発イベントなどに関する記事では、あえて患者と記す必要性がなさそうだなと思うものもあった。

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(松浦祐子)朝日新聞(デジタル版)2025年04月01日掲載

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