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54歳で若年性認知症に 働き盛り「なぜ今」 息子には明るく伝えた

約30年前、米国・サンフランシスコ近辺の大学院に留学していた時、ゴールデンゲートブリッジで母と撮った写真

 病気の人を治す薬を開発したい――。東大を経て米国でがんに関する新薬の研究に取り組んできた木下大成さん(56)は、54歳の時に若年性認知症と診断されました。働き盛りの日々での異変と診断へと至る経緯、今の思いを聞きました。9月は認知症月間です。

 幼いころ自宅にあった「家庭の医学」をずっと読んでいるような子どもだった。医者になりたかったが、進学したのは九州大理学部生物学科。そこでバイオテクノロジーと出会った。「自分で診察しなくても、バイオテクノロジーを使って良い薬を作れば、病気の人を治すことができる」

 博士課程からは東大に移り、米国留学なども経験しながら、がん領域で急速に開発が進んでいた分子標的薬に関わる研究に取り組んだ。

 転機となったのは東大の助手として海外の学会に出席したとき。留学時代の仲間と再会し「米国へ戻ってこいよ」と誘われた。サンフランシスコのバイオテクノロジー企業への就職を決心した。

■突然の異変 自室にこもりがちに そしてリストラ

(松浦祐子)朝日新聞デジタル2024年09月01日掲載

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