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欽筆~どこまで書くの!

足踏まれたら?欽ちゃんは「痛い!」じゃなくて、涙こらえてこう言う 欽筆9

欽ちゃんこと萩本欽一さんが、自ら考えた格言や生き方のコツを筆でしたためます。何時間も、ときには何日もかけて書き上げるという味わい深く温かい欽ちゃん直筆の書を、短いインタビューと合わせてお届けします。

萩本欽一さんの毛筆による作品「欽ちゃんの言葉」

足踏まれ 痛いと叫んでも 痛くないと叫んでも 痛さは同じ

人に足を踏まれて「痛い」と言っても「痛くない」と言っても、痛いのは同じ。じゃあどっちが運がつくかって言ったら、「痛くない!」って叫ぶほうが運が転がるんですよ。ただし、何ともない顔で「いえ大丈夫です、痛くないです」じゃダメよ? それじゃ何も伝わらないから。もう涙流しそうに辛そうな顔で「全然痛くないっ、全然痛くないから!」って言うことに意味があるの。そんな素敵な人がいたら、なんとかしてもう一度会いたいな、と思うよ。
女性だったらね、足踏まれて「こんなの全然痛くない!」って泣きながら言ってごらんよ。そんな女性、嫁さんにしたら絶対いいもん。飲んで夜遅く帰って「ごめんな?」って言っても、「全然遅くないもん! 夜中の2時過ぎてるけど全然遅くない!」って泣きながら言ってるの。「俺はこんな嫁さんもらって最高だ」って、人の3倍働くよ(笑)。
「痛い! 気をつけてよ!」「何時だと思ってんのよ!」なんて怒るのは、そこで損したぶんの元を取ろうと思ってるからダメなのね。そんなことしたらマイナスがチャラになるどころか不運が転がっちゃう。起きたことは変わらないんだからさ、「損してもいいや」ってニッコリ笑っていればいいのよ。そうすると今度は運が転がるから。芸能界も同じ。「損してもいいや」って思って頑張る奴は成功するし、得することしか考えてない奴は成功しない。ほんとだよ?

欽ちゃんがお手本を。涙流しそうに辛そうな顔で「全然痛くないっ、全然痛くないから!」
欽ちゃんがお手本を。涙流しそうに辛そうな顔で「全然痛くないっ、全然痛くないから!」

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