家族と専門職が上手に介護を分担するコツは?認知症現場の知恵

認知症ケアについて多様な経験がある家族、ケアマネジャー、訪問看護師、医師たちが、実践的なQ&A方式で、「ケアの知恵(コツ)」をお伝えします。

Q.家族と専門職が上手に介護を分担するコツは?

A.家族全員が介護に関われるようスケジュール調整を。認知症の人の情報を家族で共有することも大切です

要介護認定が下りて介護保険を利用できるようになっても、すべての介護を専門職にまかせることはできません。サービス内容とスケジュールを決める際は、家族の予定や都合を念頭に置いて検討しましょう。

家族のスケジュールに合わせて、サービスを入れる

●土・日が休みの家族がいる→平日に訪問介護を入れる
●大学生の子どもが火曜日は早く帰ってくる→デイサービスを火曜日にして、子どもに家でのお迎えを任せるなど
●年に一度は家族が集まれる日をつくる→サービス担当者会議(ケアカンファレンス)を開き、情報のすり合わせをする

こんな意見も

両親が親の介護をしていないと、子どもも祖父母の介護に関わろうとしません。自分の将来のためにも、介護を専門職にまかせきりにせず、家族全員で分担することが大切だと思います。(家族 男性)

「家族だから当然」はNGです

キーパーソンは、家族であっても「これ、やってもらえる?」「これやってくれたら助かる」とお願いする態度で声かけをすることが大切です。「家族なんだから、やるのは当たり前でしょ!」という態度はNGです。また、認知症の人の情報を家族全員で共有することも大切なポイント。メールやSNSなどによる報告・連絡を怠らないことが、家族の協力意識の向上や結束につながります。

こんな意見も

夫の兄弟は不仲でしたが、親の介護を分担している間に仲が修復されました。家族が不仲でも最初からあきらめずに、まずは話し合ってみましょう。難しいときは、お金だけ負担してもらう形でもいいでしょう。(家族 女性)

別居家族が介護に協力的じゃない…

遠くに住んでいることを理由に介護へ協力的でない場合は、往復の交通費を渡して来てもらったり、逆にお金を援助してくれるように交渉したりするのも手です。また、「一緒に住んでいないからわかってもらえない」と感じたときは一泊してもらい、認知症の人の夜間の様子も含めて見てもらうといいでしょう。別居家族を介護に巻き込むことが困難なときやストレスになるときは、無理強いする必要はありません。

こんな意見も

子どもたちを集めて、介護に参加した子どもには相続〇%、参加しない子どもには相続を減らすと、弁護士立ち合いの下で話し合いを持った知人がいます。亡くなったあと、きょうだいの関係をこじらせないためのいい方法だと思います。(家族 女性)

この記事は、『認知症の人と家族のための「地元で暮らす」ガイドブックQ&A』から許可を得て転載しました。

認知症の人と家族のための「地元で暮らす」ガイドブックQ&A
認知症の人と家族のための「地元で暮らす」ガイドブックQ&A
認知症カフェに集まる家族や専門職と、認知症の人と暮らすためのヒントを考えた一冊。当事者ならではのアイデアや失敗談など今日から活かせる情報を、33のQ&Aでわかりやすく掲載しました。新里和弘監修、NPO法人Dカフェnet著
詳しくはこちら(メディカ出版のサイトに移動します)

あわせて読みたい

この記事をシェアする