具体的な非薬物療法

回想法

最近の記憶から失われるアルツハイマー型認知症の特性をいかし、遠い過去の記憶を語ってもらう心理療法。
記憶がよみがえって脳が活性化するだけでなく、自らの体験に聞き手(介護者)が共感し、受け止めてくれることで、気持ちが安定し自信をもつ。

芸術・絵画療法

絵を描いたり、立体作品を作ったり、芸術作品を鑑賞したりすることで脳の活性化や、心の安定をはかる。たとえばリンゴの絵を描く場合、実際に触れ、においをかぎ、食べ、リンゴの思い出を語りながら五感をフル稼働させて描くプログラムもある。

音楽療法

「好きな音楽を聴いて癒やされた」という経験は誰にでもあると思うが、歌を歌ったり、楽器を演奏したり、懐か
しい音楽を聴いたりすることを組み合わせ、集団で実施するのが音楽療法だ。音楽によって幸福感が高まり、記憶が喚起されることも。

運動療法

有酸素運動、筋トレ、リズムに合わせてからだを動かすなどをして、身体機能を向上させ、脳の活性化をはかる。運動経験などでかける負荷も変わってくる。「からだを動かしながらしりとりをする」などの、複合的な運動が効果的といわれる。

作業療法

手芸、工芸、園芸などの制作活動や、料理などの生活動作の訓練をおこなって、機能の回復をめざす。材料を口に入れてしまわない、道具でケガをしないなどの安全面の配慮が必要。

アロマセラピー

精油の香りをかぐことで、嗅神経を通じて脳にはたらきかけ、自律神経をととのえて身体機能を調整する。すっと霧が晴れるような状態になるという人も。また、香りと結びついた記憶を呼び起こす効果もある。

リアリティー・オリエンテーション

見当識障害を解消するための訓練で、今日が何月何日か、季節はいつなのか、この場所はどこなのかなどを、ス
タッフが個別に質問したり、グループで話をしたりする。アリセプトとの併用に効果があるとの報告も。

光療法

強い光を一定時間照射することで、睡眠と覚醒のリズムをととのえ、夜間の行動異常を改善させる。覚醒度を上げることで、認知機能の改善も期待できる。光の照射によって骨密度が高まったという報告もある。

このほか、園芸療法、動物介在療法、ユマニチュード、パーソン・センタード・ケアなど。

〈つぎを読む〉困難を極める新薬開発

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