認知症中期に多い困った症状への対処法35

1.今伝えたことを、繰り返し聞く

▶「さっき言ったよ」などとは言わず、初めて聞いたかのように、やさしく答える

2.家族の名前を忘れる

▶その都度、やさしく伝える
▶ふだんからコミュニケーションをよくとっておく
▶毎回自分から名前を言うようにする

3.話がかみ合わない

▶「はい」「いいえ」で答えられる質問、「○と×ではどちらがいい?」など、選択できる質問をする

4.真実でないことを言う

▶真実でなくても、否定せずに受け入れる。共感する

5.話したがらない

▶積極的に話しかけて、刺激を与える
▶無理に話しかけなくても、人の話を心地よさそうに聞いているようならそのままでもOK

6.予定どおりに行動できない

▶その都度、予定をわかりやすく伝える
▶行動を細切れで、一つひとつ順番にメモをしておく

7.ものの名前がわからない

▶その都度、伝える
▶そのものを描いた絵や写真などに名前を書いておく

8.電車やバスの乗り方がわからない

▶一緒に出かけ、時間がかかっても、乗り換えが多いなど複雑な状況は避ける

9.デイサービス、病院などに行きたがらない

▶なじみの場所になるよう、できればデイサービスは毎日利用する
▶「招待されている」などの言葉かけをする
▶「私が行くから、付き添って」などの言葉かけをする(医師などにも事情を話しておく)

10.介護をしようとすると、拒否する

▶正面からなど、本人が見えるところから、やさしい言葉、短い言葉でゆっくりと声をかける
▶これから何をするのかを、説明する(何をするかわからないことが、拒絶につながる)

11.訪問販売で布団などを大量に買ってしまった

▶成年後見制度の利用を考える
▶通帳や貴重品、金銭の管理に気をつける(現金を置かない、もたせない)
▶まずは警察に届け、直後であればクーリングオフ制度を利用する
▶近所の人にお願いして、ときどき様子を見てきてもらう(人の出入りが多いと狙われにくい)

12.夜になると騒ぐ

▶昼間、よくからだを動かすようにする(夜は疲れて眠るため)
▶水分不足の可能性もあるので、水分をしっかりとる
▶暗くなると不安で騒ぐこともあるので、音や照明、インテリアなど落ちつける雰囲気を考える

13.なかなか眠れない

▶昼間、よく体を動かすようにする
▶足浴を試してみる
▶寝る前に電話を入れたり、明日行くと伝えて、不安を取り除く

14.すぐに怒り、暴力を振るう。イライラ、落ち着かない

▶相手が興奮していても、こちらは冷静に、落ち着いて、話を聞く
▶落ち着ける環境、なじみの環境をつくる(音楽、におい、照明など)
▶タクティールケア、フットケアなどを試す
▶スキンシップをはかりながら、話を聞く
▶違和感や不快感を伴うような体調の変化がないか、よく観察する
▶便が出る直前や、便秘が原因のこともあるので、主治医などに相談してみる(排便状態を確認する)

15.昼間、布団から出たがらない

▶カーテンや障子をあけて朝日を浴びてもらい、自然な起床を促す
▶「朝食(昼食)の準備ができました」「一緒に食べましょう」などと声をかける
▶散歩や買い物など、日中にからだを動かす予定を入れて、夜眠り朝起きるリズムを作る

16.突然大声を出す、興奮する

▶脱水やからだの不快症状、痛みなどがないか一度確認する
▶興奮しやすい時期を把握しておく
▶落ち着ける環境、なじみの環境をつくる(音楽、におい、照明など)
▶治まらないような場合は、主治医やケアマネなどに相談する

17.傷つく言葉を吐く

▶傷つく言葉、自尊心を損ねる言葉を使っていないか、嫌がる介助(無理強い、急に触るなど)をしていないか振り返る
▶一時的に離れて、落ち着いた頃にもう一度声をかける
▶体調が悪くないか聞いてみて、場合によって主治医などに相談する

18.性的な言動をする

▶「理性で抑えられなくなっているだけ」と理解して、手をさするとか、肩をなでたりとか、別のコミュニケーションをとってみる

19.汚れた下着をタンスの奥に入れる

▶「隠したい」という気持ちからなので、「洗っておきましょうね」と声をかける
▶本人が気づかないようにそっと洗い、戻しておく

20.お風呂に入りたがらない

▶家族が見守りながら入る(一緒に入ってもOK)
▶デイサービスの入浴を利用する(「お風呂、温泉に招待された」というと受け入れてくれやすい)
▶いきなり「お風呂に入ろう」と伝えずに、「洋服が汚れているから着替えましょう」「ちょうどお風呂が沸いたから、入りましょうか」「足が冷たいから、ちょっとお湯で温めましょうか」といった流れの中で、入浴をすすめる

21.トイレに失敗する

▶トイレのリズムを把握して、タイミングよくトイレに誘う(いきなりトイレに誘うのではなく、何かのついでにトイレに寄るような流れで)
▶トイレの習慣をつけ、時間に余裕を持って、トイレタイムをつくる
▶水分をしっかりとる
▶トイレの場所がわからない、トイレで便の仕方がわからない(洋服を脱いで、便座に座るという行動がとれない)など、原因を探す
▶尿漏れパンツ、パッド、おむつなどの利用について、専門家に相談する

22.転倒しそうになった転倒した

階段や廊下に手すりをつける、階段に滑り止めをつける
家の中の段差をなくす
蛍光テープを貼って、暗くても段差がわかるようにする

23.さっき食べたばかりなのに、「食事はまだ?」と聞く

▶本人の思っていることに合わせて、「食べていないのね、支度してくるわ」と台所に立つ
▶おなかにたまらないような軽いもの(菓子、フルーツなど)を出す

24.冷蔵庫に食べものではないもの(洗剤など)を入れる

▶どうしてそういう行動をとるのかを、聞いてみる
▶洗剤などは、本来しまう場所に写真やメモを貼っておく
▶支障がなければ、そのままにしておく

25.トイレの場所がわからない

トイレのドアの前に「トイレ」と書いておく
夜間でも電気をつけ、少しドアを開けておく
トイレまでの動線に蛍光色など目立つ誘導テープを貼る(病院の廊下にあるガイドのイメージ)

26.着替えができない

▶本人ができない行為(脱げるが、着られないなど)だけ手伝う
▶着る順番に衣類を用意しておく
▶「手を入れてください」「首を入れてください」と、動作をひとつずつ分けて促す
▶ボタンやファスナーではなく、マジックテープなどの着脱しやすい衣類に変える(女性はズボンではなく、スカートのほうがラクにはける)

27.歯磨きができない

▶「歯ブラシに歯磨き粉をつけてください」「口に持っていって歯の裏を磨いてください」など、作業を一つずつ確認しながら歯磨きをしていく
▶歯磨き介助グッズを使って、歯磨きを手伝う
▶電動歯ブラシを使ってみる
▶隣で一緒に歯を磨く

28.リモコン、電化製品の使い方がわからない

▶必要なボタンだけに色をつけるとか、枠で囲うとかして目立たせる。使わないボタンはテープなどで隠す
▶電化製品はボタンに使う順番を書いて貼っておく

29.洗濯や掃除ができない、間違える

▶電化製品の使い方がわからないときは、使う順番を貼っておく
▶やる気がない場合は、できる範囲でやってもらう
▶時間がかかっても、できるだけ本人にやってもらう

30.季節に合わない服を着る

▶あらかじめ季節や天気に合った洋服を用意しておく
▶タンスのなかの洋服も、季節に合ったものに総入れ替えしておく

31.夕方になると家を出て行こうとする

▶ずっと一緒に後をついて安全を確認する
▶「お茶が入ったので、飲んでから行きませんか?」とうまく引き止める
▶脱水や低栄養が原因のことがあるので、水分が不足していないか注意してみる
 ※1日1.5リットルを目安に。具体的には主治医に聞く
▶昼間に、よくからだを動かす
▶出て行きたくなる時間帯を把握しておく

32.外出して、迷子になってしまう

▶出かけるときは付き合う
▶ドアチャイム、徘徊探知機、センサー、位置のわかる携帯電話などを利用する
▶地域の徘徊ネットワークや、近所のスーパーや郵便局などに連絡しておき、地域で見守りをしてもらう

33.「家に帰る」と言ってきかない

▶一緒に出かけて、家まで付き合う
▶「食事(お茶)でもして帰りましょう」などとやさしく語りかけ、関心をそらす

34.料理の味つけがおかしくなる

▶まずは料理を作ってもらって、見ていないところで味を直す
▶健康に問題がなさそうなら、作ってもらったものをそのまま食べる
▶1品だけ作ってもらい、あとは買ったり、家族が作ったりする
▶料理番組のように、調味料をあらかじめ量って小皿などに入れておいて、それを使ってもらう

35.料理ができない、間違える

▶時間がかかっても、できるだけ本人にやってもらう
▶一緒に料理をして、本人ができる部分だけお願いして手伝ってもらう

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