正しい姿勢と食べる喜びが脳の血流を増やす

認知症の予防には「よくかむこと」が大切ですが、具体的に食べ物や食べ方で工夫できることはあるのでしょうか。

「まずは『おいしい』と思って食べることです」と、志賀歯科医師は言います。下のグラフを見てください。グミゼリーの苦味が増すほどに、脳の血流量が減っていることがわかります。

「かむことで脳の血流は増えますが、同じようにかんでいても『おいしい』と思ってかんでいるときと、『まずい』と感じているときでは、脳の活性度が違うのです」

咀嚼したときの脳内血流の変化
咀嚼により脳内血流が増加、苦くないとより増える

寝たままかんでも脳は活性化しない

食べるときの姿勢も意識してほしいと、志賀歯科医師は言います。

「ベッドに寝たまま上半身だけ起こして食事をしたときには、座って食べるときほど脳の血流は増えません。介護用ベッドを使っていたとしても、可能な限りいすなどに腰かけ、テーブルに向かって食べるようにしたいものです」

なにを食べたらいいのかも気になるところですが、「特別に意識しなくていい」と志賀歯科医師。

「本来、咀嚼は無意識におこなうもの。かむことに意識が向きすぎないほうが自然な食べ方を維持できます」

■咀嚼のはてな?

Q.スルメをかめば、あごが強くなる?

A.無理に硬いものを食べるのは危険

硬いものをかむと、あごに過剰な負担がかかることも。顎関節が弱い人や高齢者などは顎関節症になるおそれがあるので、無理はしないことです。

Q.ひと口につき30回かむのがいい?

A.適切な回数は食品ごとに違う

刺し身や豆腐、ハンバーグなどの軟らかい食品を30回もかむ必要はあるでしょうか? かむ回数を意識するよりも、おいしく味わって食べましょう。

Q.野菜を食べやすく切ってもいい?

A.もちろんですが、歯の検診も受けて

軟らかく煮たり、小さく切るのは、食べやすさの面でも栄養をとる意味でも大切です。ただし、食べにくさの原因を解決するために「なんでも食べられるようにしてほしい」と歯科医院に相談することもお忘れなく。

〈続きをみる〉認知症になっても「自分で食べる」を大切に

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