認知症の原因となる病気と、65歳未満で発症する若年性認知症

認知症のかげに思いがけない病気があることも

ここまで紹介してきた4つの認知症以外にも、原因となる疾患は数多くあります。「慢性硬膜下血腫」「特発性正常圧水頭症」などは「手術で治る認知症」として知られていますが、それ以外では、以下の病気があります。

● ウェルニッケ脳症

ビタミンB1の欠乏によっておこる脳の障害で、過剰なアルコール摂取との関連が指摘されています。眼球運動障害、不安定な歩行、意識障害、記憶障害などが起きます。

● 甲状腺機能低下症

甲状腺ホルモンが不足して全身の代謝が落ち、皮膚の乾燥やむくみ、便秘、疲労感などの症状が出ます。記憶障害や意欲低下がみられますが、甲状腺ホルモンを補充することで改善します。

● クロイツフェルト・ヤコブ病

プリオンという異常たんぱく質に感染して発症します。発症率が年間100万人に1人の難病で、発病後数カ月程度で認知症が進む進行の早い病気です。

● 脳腫瘍

 特に多いのは、肺がんが脳に転移することによって認知機能が障害されるケースです。症状は腫瘍の位置によって異なりますが、言葉が出ない、基本的な動作ができなくなるなどで、記憶障害は強くありません。

「できていたことができない」と思ったら認知症を疑って

病気の原因によって症状も違うため、「もの忘れが認知症のサイン」という思い込みは禁物です。

「これまでできていたことができなくなった」と感じたら、かかりつけ医に相談し専門医を紹介してもらいましょう。認知症のかげに、思いがけない病気が隠れている可能性もあります。

若年性認知症とは?

65歳未満で認知症を発症するケースを「若年性認知症」という。平均発症年齢は51歳で、血管性認知症がもっとも多く、アルツハイマー型、前頭側頭型にもみられる。若年性の場合、「何かおかしい」と思っても認知症を疑うことは少ないため、更年期障害やうつ病と診断され、治療が遅れて認知症が進行してしまうケースも多い。本人や家族の気づきが、非常に重要である。

〈つぎを読む〉認知症の治療で期待できる効果

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