前頭側頭型認知症 反社会的な行動も症状の可能性 理解してケアを

前頭側頭型認知症は、その名のとおり前頭葉や側頭葉が萎縮する認知症です。神経細胞内に「ピック球」という異常構造物が出現して起こる「ピック病」が原因となることもあります。

この病気のいちばんの問題点は、前頭葉が障害を受けることです。前頭葉は脳全体の司令塔ともいえる部分で、喜怒哀楽の感情や思いやり、規律を守るといった人間らしい活動を支えています。そのため、前頭側頭型認知症によって前頭葉の働きが低下すると、まさに「人格が変わる」ような状態になってしまうのです。

反社会的な行動をとっても罪悪感がない

症状としては、落ち着きがなくなる、だらしなくなる、人に対して横柄で乱暴な態度をとるなどの身勝手な行動が増えてきます。万引きや無賃乗車など、反社会的な行動をとることもあり、しかも悪意も罪の意識もありません。

また、同じ行動を繰り返す「常同行動」をとることも多くあります。毎日同じものを食べる、同じコースで散歩に行くといった行動が習慣化し、止められることを嫌います。見当識障害はないので、道に迷うことはめったにありません。

側頭葉に症状が強く出るときには、言葉がわからなくなるなど、言語に異常がみられます。

現段階で効果的な治療法はありません。認知症本人の特性を理解し、「毎日同じ時間にデイケアに通う」といった望ましい習慣づけをしながら、こまやかなケアをしていく必要があります。

POINT

反社会的な行動をとるなど人格に変化がみられる。

常同行動をとるため、行動の予測がつきやすいが、急な変化に対応できない。

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