アルツハイマー型認知症の症状と原因

「アルツハイマー型認知症」 日常生活の困難さが前面に

アルツハイマー型認知症は、大脳全体が大きく萎縮する病気です。萎縮の始まりは、短期記憶や見当識をつかさどる「海馬」を含む側頭葉です。そのため、初期の段階から極端なもの忘れや、見当識障害が目立つことになります。

「たんぱく質のごみ」が脳神経細胞を破壊

そもそも脳はなぜ萎縮するのでしょう。その原因をひと言でいうなら、「たんぱく質のごみ」の蓄積です。
一つ目の「ごみ」は、たんぱく質「アミロイドβ」です。日々分解されて消えるものですが、なんらかの原因で分解しきれず、脳の神経細胞の外にたまってしまいます。これを「老人斑」といいます。
二つ目の「ごみ」は、神経細胞の内側にある「リン酸化タウたんぱく」です。神経細胞の中に糸くず状にたまり始め、これが神経細胞の破壊をもたらします。
これらの「ごみ」がたまる原因はわかっていませんが、生活習慣病とのかかわりや遺伝との関係も指摘されています。遺伝性の場合、65歳未満で発症することが多いです。一般的には50歳前後でアミロイドβの蓄積が始まり、脳内の「ごみ」が増え始め、70歳ごろに発症します。
「進行を遅らせる薬も治療法もあるので、早く見つかればそのぶん元気な期間を延ばせます。早期に治療を開始することは非常に重要です」(日本医科大学武蔵小杉病院認知症センター部長の北村伸医師

認知症が進行するとどうなる? 基礎7_1
認知症が進行するとどうなる?
MCI(軽度認知障害)」
▼中核症状 短期記憶からもの忘れが始まる、趣味や日課に興味が薄れる
▼BPSD 抑うつ症状、イライラ感、性格が変わったと感じる
▼日常生活は普通に送れるものの、加齢や教育レベルだけでは説明しきれないもの忘れや失敗がある。しかし、全般的には認知機能に問題がない。
「中期」
▼中核症状 記憶障害の進行(長期記憶も)、 会話能力の低下、理解力の低下、 洋服の着脱や入浴に介助が必要、慣れた道で迷う
▼BPSD 徘徊、攻撃的な言動が増える、妄想や幻覚なども出てくる
▼記憶力の減退が進み、最近の記憶だけでなく、昔の記憶も薄れ始める。着替え、入浴、トイレなども一人では難しくなり、介助が必要に。
「後期」
▼中核症状 自分のことや親しい人がわからない、会話能力がなくなる、基本的な生活ができなくなる、睡眠リズムが乱れる、やがては寝たきりに
▼脳の萎縮が進み、わが子に対して「あなたはどなた?」と聞くなど、失認も目立つようになる。日常的な介護が必要になるが、BPSDは減る。

POINT

加齢だけでは説明できない記憶障害がある。

生活習慣病との関連はあるが原因は不明。

早期発見で治療すれば進行を遅らせられる。

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〈つぎを読む〉血管性認知症とは

2019年3月5日更新

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