認知症の中核症状

脳の神経細胞が壊れ始め認知機能が衰えることで発症

中核症状の代表は記憶障害と見当識障害

中核症状の代表は「記憶障害」でしょう。人間の記憶には、料理の仕方や自転車の乗り方といったからだで覚える「手続き記憶」、人や地名など学習して得た「意味記憶」、個別の体験を記憶している「エピソード記憶」があります。アルツハイマー型認知症の場合、最近の記憶(近時記憶)やエピソード記憶から忘れていく傾向があります。次第に意味記憶や、若い頃の印象深い経験(遠隔記憶)なども忘れていきます。

つぎに目立つのは「見当識障害」で、時間や場所、周囲の人などを認識する力の低下です。最初は「時間の見当識(今がいつか)」が低下し、次第に「場所の見当識(ここはどこか)」「人への見当識(この人は誰か)」が障害されます。なお、MCIの段階で見当識障害はないので、認知症との判別に使われることもあります。

●記憶障害(近い記憶から抜け落ちてしまう)

「近い記憶」と「エピソード記憶」から失われるので、さっきまで何をしていたのかという具体的な行動を忘れてしまう。進行すると、知識や言葉(意味記憶)、遠隔記憶も忘れてしまう。

●失語(言葉が出ない・意味がわからない)

失語には「言葉が出てこない」のと、「言葉を理解できない」の2種類があるが、脳のどの部分に障害が出るかによって違う。読み書きができなくなる場合もある。

●失行(衣服の着方を忘れてしまうことも)

手足の運動機能に問題がないにもかかわらず、簡単な日常の動作ができなくなる。衣服の脱ぎ着ができない、使い慣れた道具の使い方がわからなくなるなどといった行動にあらわれる。

●失認(見えているのになんだかわからない)

視覚にも聴覚にも問題がないのに、見えているもの、聞こえている音が何なのかわからなくなる。物だけでなく、人の顔や街並みもわからなくなるので、迷子の原因になることも。

●見当識障害(自分の置かれた状況を見失う)

最初に時間の見当識が失われるので、今が何月か自覚できず、季節に合わない服装をしてしまうことも。場所の感覚を失う場合には、道に迷ったり、遠くまで行って戻ってこられなくなることもある。

●実行機能障害(段取りよく行動できなくなる)

料理をするとき、部屋を掃除するとき、買い物をするとき、無意識のうちにしている段取りなどができなくなる。支払いに硬貨が使えなくなるなど、当たり前にしていたことが難しくなる。

●理解・判断力の障害(困ったことがあると対処できずうろたえる)

「寒いと感じても、1枚多く服を着ることが思いつかない」「病院に行ったら休みだったので、ずっと外で待っていた」というように、場に応じた判断ができない。抽象的なことを理解しにくい。

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