認知症予防に取り入れる「習慣」 どんなものをしたらいいの?

認知症の予防は、「三日坊主」ではあまり効果がなく、習慣にしてこそ結果につながりやすいものです。どんなことを習慣にしたらいいのでしょうか。東京医科歯科大特任教授で、メモリークリニック御茶ノ水理事長の朝田隆医師に聞きました。

○人に会う

アメリカの国立衛生研究所(NIH)が国民向けに発表した認知症予防のための生活習慣の8カ条のなかには、人的交流など社会認知活動を増やすことが入っています。お茶のみ会でも、ちょっとした世間話でもいい。家に引きこもると話すのさえ嫌になってしまうので、積極的に人と会う用事をつくり、脳を刺激しましょう(朝田医師)。

○運動する

2010年にアメリカで報告された研究結果では、認知症予防に効果があるとされた唯一のものが「運動」です。なかでもウォーキングなど、有酸素運動が効果的とのことでした(ウォーキングの具体的な方法はコチラ)。無理をしすぎない適度な運動は、生活習慣病の予防にもなるので、ぜひ工夫して習慣化したいですね(同)。

○新しいことに挑戦する

近年の認知症予防方法の根底には、「脳の代償」という考えがあります。脳のなかには一生使わないまま終わる神経細胞がたくさん残っており、一方、アルツハイマーは今まで活躍した神経細胞が死んでいく。そこで、これまでやったことのないことに挑戦すると、それまで眠っていた神経細胞や回路が呼び起こされ、死んでいった細胞の肩代わりをしてくれる……というものです。この説からいくと、これまで自分の得意だったことではなく、全く新しいことに楽しんで取り組み、集中することで、「脳の代償」が起こるのではと考えています(同)。

こころがけを習慣化するヒント
こころがけを習慣化するヒント

×これはNG習慣

  • 喫煙、深酒
  • 昼夜逆転の生活
  • 家でずっとゴロゴロ
  • 楽しくない脳トレを無理やりする

仲間や場の力を借り まず始めてみる

何かを習慣にするのは容易なことではありません。前出の山本朋史さんも、「認知力アップトレーニングを始めた最初の3カ月はしんどかった」と話しています。

継続のポイントは、「人に褒められてうれしいとか、料理の腕が上がりレパートリーが増えた、といった小さな成功を積み重ねること」と朝田医師。仲間や場の力を借りるのも、習慣づくりのよい手だといいます。

「私の知る限り、MCIからすぐに認知症へと進行したり、急激に悪化したりする人は、プライドが邪魔して『俺は仲間に入らない』と一人で閉じこもってしまう人が多いです。一人でトレーニングを始めようとしても続かず、結果、そのまま状態が悪くなってしまうのです」(朝田医師)

恥ずかしさやプライドを捨て、仲間とともにまず始めてみる。その一歩が大切なのかもしれません。

〈つぎを読む〉認知症予防の研究進む「マインド食」とは

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