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散歩好きなのに…両親から家に閉じ込められる祖母が心配【お悩み相談室】

公園を散歩する祖母と孫、Getty Images
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認知症介護指導者の中島健さんが、認知症の様々な悩みに答えます。

Q.最近暖かくなってきたので、認知症の祖母(85歳)を散歩に誘うと喜んでくれます。祖母は誰にでも話しかけ、本人の意向で服装がちぐはぐなので、両親から「恥ずかしいから外に連れ出さないでほしい」と言われます。本当はもっと出歩きたいはずなのに、閉じ込められていてかわいそうです(20代・女性)

A.おばあさまを散歩に誘うなんて、本当に素晴らしいお孫さんですね。育てたご両親もやはり素敵な方たちなのだと思います。

相談者が心配されているように、このまま外に出られずに人との関わりがなく、刺激のない生活を送っていると、認知症がより進行していく可能性があります。おばあさまの認知症が進行するとご両親が介護の難しさに直面するかもしれません。進行をよりゆるやかにするためには、人とのコミュニケーションはとても大切だと言われています。その点を相談者からご両親に話してみるといいと思います。地域包括支援センターのスタッフや担当のケアマネジャーを交えて伝えてもらうのも1つの方法です。これを機にどうすればおばあさまが外に出やすくなるのか、地域とどのように関わっていけばいいのかについて、話し合うこともできます。相談者が1人で相談するのではなく、ご両親も同席してもらうことをおすすめします。

ご両親が恥ずかしいと感じているのは、おそらく服装がちぐはぐなことなのではないかと思います。あるいは、服装がちぐはぐなことによって、認知症だと疑われるのがいやなのかもしれません。

「本人の意向で服装がちぐはぐ」とのことなので、おばあさまは服装にこだわりがあるおしゃれな方なのですね。本人の意向を尊重してあげてほしいですが、ご両親がどうしても気になるのであれば相談者からおばあさまに「こっちの服を着ているおばあちゃんが好き」と伝えて、ちぐはぐではない洋服を着るように誘導する方法もあります。

季節に合わない服装をするのであれば、本人のこだわりというよりも認知症による見当識障害などが影響しているかもしれません。この場合も言い方を工夫すれば、季節に合った服装をしてもらえる可能性があります。例えば、認知症の人に「肌寒いから暖かい服で行こうね」といっても、どれが暖かい服なのかがわからないことがあります。このため、「袖が長いシャツを着て行こう」など、具体的にどういう服装かを示すと効果的です。

もしかしたら近所付き合いがしっかりあるからこそ、ご両親は以前とは様子が違うおばあさまを近所の人に見られるのが恥ずかしいという思いがあるのかもしれません。近所の人たちは「最近あのお家のおばあちゃんの姿を見かけないけど、どうしたのかな」と心配しているのではないでしょうか。近所の人にとっておばあさまは、“認知症の人”ではなく“〇〇さんのところのおばあちゃん”なはずです。近所の人たちとの関わりを続けて、地域でおばあさまを支えられるようになるといいですね。

【まとめ】祖母を散歩に誘おうとすると両親が「恥ずかしいから連れ出さないで」と言うときには?

  • このまま家に閉じこもった生活をしていると認知症が進行し、介護をする両親が苦労する可能性が高くなることを相談者から両親に説明する
  • 「こっちの服を着ているおばあちゃんが好き」「肌寒いから袖が長いシャツを着て行こう」など、ちぐはぐではない服装をしてもらうように導く

 

 

≪お悩みの内容については、介護現場の声を聞きながらなかまぁる編集部でつくりました。≫

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